菱形筋の弱さが肩甲骨翼状痕の原因ではない
admin - 10月 9, 2021肩甲骨翼状痕の鑑別診断に関するTeaching Neuroimageを興味深く読ませていただきました。 神経学の文献では、菱形筋の弱さが翼状片を引き起こす可能性があると言及されていますが、これはおそらく誤りです。 菱形筋はC7からD5の棘突起から発生し、肩甲骨の内側縁に挿入されます。 繊維は内側縁に挿入され、内側縁の前側と後側にはないため、肩甲骨を胸郭に密着させる役割はありません。 菱形筋の衰えは肩甲骨の下方への逸脱を引き起こすかもしれませんが、肩甲骨が胸郭から浮き上がることをウイングと定義するならば、ウイングを引き起こすことはないでしょう。 記事の症例2では、棘下筋の衰えがあり、肩関節周囲の複数の筋肉が弱っていたと思われます。 症例2の内側縁のwingingは、鋸筋の衰えが原因である可能性が高いです。 鋸筋の弱化で肩甲骨の内側縁がウィングしていることから、菱形筋が弱化しているように見えますが、臨床検査では菱形筋のパワーは正常である可能性があります。
1. G Tsivgoulis, Vadikolias K, Courcoutsakis, et al. Teaching Neuroimages:Differential diagnosis of scapular winging Neurology 2012;78:e109.
2. Greenberg SA.「鋸筋弱化の鑑別診断」(日本経済新聞社). Pearls: 神経筋疾患 Semin Neurol 2010;30:28-34.
3. Greenberg SA, Amato A. EMG pearls, vol 1, Philadelphia: Edinburgh: を参照。 Kendall FP, McCreary EK, Provance PG, Muscles testing and function, 4thed. Baltimore: Williams & Wilkins;1993.
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